社会人になって数年、僕は長年の悩みだった全身の濃い体毛と向き合う決意をした。クリニックに通う時間も費用も捻出するのが難しく、僕が選んだのは家庭用脱毛器を使ったセルフ脱毛という道だった。インターネットの口コミを読み漁り、冷却機能付きでパワーが強いと評判の、約7万円の脱毛器を清水の舞台から飛び降りる思いで購入した。商品が届いた夜、僕は期待と不安を胸に、まずは腕の毛でその実力を試すことにした。説明書を熟読し、レベル1から照射を開始。パシャッという光とともに、少し温かい感覚と、チクッとした軽い刺激が走る。痛みというほどではなく、これなら続けられそうだと安堵した。しかし、次に挑戦したスネ毛は手強かった。毛が濃いせいか、腕よりも明らかに強い刺激を感じる。まるで輪ゴムで弾かれているようだ、という口コミの意味を身をもって理解した瞬間だった。そして、最大の難関はヒゲだった。レベルを下げても、鼻の下に照射した瞬間、涙が滲むほどの鋭い痛みが走った。これは長期戦になるなと覚悟を決めた。最初の1ヶ月は、週に2回のペースで地道に照射を続けた。正直なところ、目に見える変化はほとんどなく、本当に効果があるのかと疑心暗鬼になったこともあった。しかし、2ヶ月目が終わる頃、明らかな変化が訪れた。シャワーを浴びていると、脚の毛がポロポロと抜け落ち始めたのだ。そして、毛の生えるスピードが明らかに遅くなっている。この小さな成功体験が、僕のモチベーションを大きく支えてくれた。半年が経過する頃には、腕や脚の毛はかなり薄くなり、自己処理の頻度は月に1〜2回程度にまで減っていた。あれほど手強かったヒゲも、まばらに生えるようになり、青髭も以前より気にならなくなった。何より嬉しかったのは、カミソリ負けによる肌荒れがなくなったことだ。肌が綺麗になったことで、自分に少し自信が持てるようになった気がする。セルフ脱毛は、孤独で根気のいる作業だ。しかし、自分の身体と向き合い、努力した分だけ結果が返ってくる。僕にとって脱毛器は、単に毛をなくすための機械ではなく、自分を変えるための最高の相棒になったのだ。
メンズ脱毛器を使った僕のセルフ脱毛奮闘記